第107回全国高校野球選手権大会第3日は7日、1回戦2試合が行われ、野球部内の暴力事案に揺れる広陵(広島)が3-1で旭川志峯(北北海道)に逆転勝利。甲子園で歴代5位に並ぶ通算80勝目とし、3年連続で初戦を突破しました。
一方で試合後、日本高野連は同校で別の事案を訴える元部員からの情報提供があったと発表。第三者委員会の調査結果を受けた学校の報告を待って、対応を再検討するとし、今後も予断を許さない状況が続きます。
津田学園(三重)は初出場の(埼玉)にタイブレークの延長十二回、5―4でサヨナラ勝ちしました。互いに譲らない展開となり、最後は叡明の失策で決着しました。

今大会最少の観衆1万人、甲子園大会史上最も遅い午後7時29分に始まった広陵と旭川志峯の試合。最後まで、広陵・中井哲之監督(63)もナインも一様に表情は硬いままでした。
中井監督は、「選手には『とにかくリラックスして笑顔でやろうや』と言ったんですが、自分が笑顔になり切れなかった」と振り返りました。日本高野連が3月に厳重注意の措置をしていた部内での暴力事案。SNSで新たな投稿が拡散されるなど波紋が広がる中での一戦となりました。
選手全員、携帯電話を広島に置いてきており、外部情報は遮断されているものの、嫌でも高校野球ファンからの「出場辞退すべき」などの声は届いています。試合前に「反省すべきことは反省してこの大会を迎えている」とした中井監督も、試合後は「見えない重圧? 選手は感じていたんじゃないですかね。皆さんにご心配をかけたんですけど、こうして夢の舞台である甲子園に立てて、子供たちが全力でプレーできたことに感謝しかありませんし、選手はよく頑張ってくれたと思う」と神妙な面持ちで話しました。
一方、試合終了直後に、日本高野連は別の事案を訴える元部員からの情報提供があったと発表。学校側は、「元部員の保護者からの要望を受け、第三者委員会を設置し、現在調査中」としています。日本高野連では、第三者委員会の調査結果を受けた学校の報告を待って、対応を再検討します。
SNS上の感情
広陵と旭川志峯の試合で、広陵が勝利したことに対して、コメントが相次ぎました。
emogram編集部では、この話題に対するSNS上の感情を独自に分析しました。
感情分析の結果は以下の通りです。
主な「怒り」の声(75%)
「何を美談にしようとしてんねん」
「泣きたいのは暴行を受け夢半ばで転校を余儀なくされた被害者だろ」
「昭和は遠に終わったんだよ」
主な「哀しみ」の声(15%)
「被害者はどんな気持ちで試合を観たんだろうと思うと」
「夢の舞台に立てなかった被害者…」
「外野が私刑をするのは反対だけど、応援できない環境」
「この先、茨の道…」
主な「喜楽」の声(10%)
「広陵ガンバレ!!このまま突っ走れ!!」
「ヤってることはほぼクロちゃん」
まとめ
今回の分析では、広陵と旭川志峯の試合で、広陵が勝利したことに対し、監督や学校側の対応への怒りや批判が目立ちます。とりわけ「被害者の気持ちを考えていない」「美談にしようとしている」「加害者が守られ被害者が追い出される状況」に対する怒りが強く表れていました。
ライターコメント
2回戦以降も様々な憶測の中での戦いを余儀なくされる中、中井監督は「(ここまで出場を)認めていただいたので、私たちは粛々と全力を尽くすだけ」と話しています。SNSでは「勝って学校名が出れば出るほど事件内容が広まっていく皮肉」という声も寄せられていました。