深まる秋。栗やサツマイモのモンブランが恋しくなる季節ですが、今年のモンブランのトレンドは「生絞り」、しかも「太さ1ミリ未満の極細」なんだそうです。産経ニュースから、そんな話題を紹介します。
究極のモンブラン
産経新聞の田中万紀記者が紹介しているのは、東京都文京区のモンブラン専門店「栗ノ絲(くりのいと)TOKYO」と、中央区の「銀座 芋山」のモンブラン。どちらも、目の前でペーストを絞ってくれる人気店です。
豊かな秋の実りを感じる「生絞りモンブラン」 栗や芋で作る1ミリ未満の極細ペーストhttps://t.co/t8ng2edwTm
深まる秋。栗やサツマイモのペーストがこんもり盛られたモンブランが恋しくなる季節だ。最近よく見かけるのは、注文してからペーストを絞って提供する「生絞り」の店。
— 産経ニュース (@Sankei_news) November 16, 2025
栗ノ絲TOKYO――0.5ミリ、155本の極細モンブラン
1店目「栗ノ絲TOKYO」は、人通りがまばらな幹線沿いにある、モンブラン専門店。メニューは「笠間和栗しぼりたてモンブラン」1品という潔さ。でも「極細モンブランの先駆け」とされる人気店で、客足が絶えないのだとか。
「産出額と栽培面積で全国一を誇る茨城県笠間市産の栗を、渋皮が残らないよう丁寧に裏ごしして、0.5ミリの細さに絞っています」とのこと。
スタッフの宮城さんが力を込めて絞り機のレバーを下げると、糸のような細さの栗ペーストが絞り出されます。その数155本。鮮やかな黄色に輝く”栗の山”が皿の上に描かれます。

実際に食べた田中記者は、「確かに、食感はふんわりとして滑らかで、栗本来の甘さや風味、滋味がしっかりと感じられる」と感想を綴っています。
ちなみに、グランデサイズにはおよそ12個分の栗が使われているそうです。贅沢…。

銀座 芋山――0.8ミリ、スモークの演出が神
もう一店は、サツマイモスイーツ専門店「銀座 芋山」。サツマイモのモンブランが自慢の店です。
店長の中堀さんによれば、「サツマイモは食物繊維豊富で栄養価に優れ、比較的低カロリー。健康を気にする人も選びやすい」とのこと。
使っているのは、ねっとりと甘みが強い「旭甘(かん)十郎 紅はるか」と、ほくほくした食感の「五郎島金時」をブレンドした、こだわりの芋ペースト。それを0.8ミリの細さに絞ります。
ここにはさらに仕掛けが
スモークで満たしたガラスのカバーを被せ、中が見えない状態で提供されます。外した途端に、甘く香ばしいサツマイモの香りが鼻をくすぐり、やがてスモークの向こうから黄金色の芋の山が現れる…という演出。

「玉手箱のように何が出てくるのだろうとわくわくしてもらいたい。開けた瞬間の香りを楽しみ、五感でサツマイモの魅力を感じていただければ」(店長の中堀さん)
モンブランの歴史
産経新聞で「スイーツの世界」を連載する、フランス菓子研究家・大森由紀子さんによれば…
モンブランの語源:
フランス語で「白い山」
イタリア語で「モンテ・ビアンコ」(同じ意味)
伊ピエモンテ州周辺の家庭で作られていた栗ペーストの上に白いクリームを盛ったお菓子が原型
今の形に近いモンブランを広めたのは:
仏パリに20世紀初頭に開店したティーサロン「アンジェリーナ」
日本では:
昭和8年創業の老舗洋菓子店「東京自由が丘モンブラン」が発祥
そして大森さん、「日本人はサツマイモや栗が大好き。特に栗にはぜいたくなイメージがあるのではないでしょうか」と話しています。田中記者は、「なじみ深い秋の味覚が洗練されたケーキに。それがモンブランが日本で広く受け入れられた理由なのだろう」とまとめています。
ライターコメント
モンブランがこんなに進化していたなんて、びっくりしました。0.5ミリって、もはや芸術の域。個人的には玉手箱みたいにスモークから芋の山が現れる演出、めちゃくちゃ気になります。行ってみたいけど、お値段もなかなかで…。でも田中記者の丁寧な取材で、行った気分が味わえました🍠












