女優の見上愛さん(25)が一ノ瀬りん、上坂樹里さん(20)が大家直美というヒロインをそれぞれ演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土曜午前8時)の第72話が7日放送され、末期がんで入院していた山本辰治(本田大輔さん)を医師の許可なく一時帰宅させ、帰院途中に山本が亡くなったトラウマを引きずるりんが、患者に触れようとすると手が震える深刻な状態に陥ったことに視聴者から心配する声が殺到しました。
りんに通常勤務へ戻るよう命じた多田
りんは、死期を悟った山本の願いを受け入れ、病院を抜け出して、山本の愛する妻・テイ(伊勢佳世さん)が待つ自宅へ連れ帰りました。しかし翌日、病院へ戻った山本は廊下で突然倒れ、りんの肩をつかみ「助けて…」と言い残して息を引き取りました。
院長室では、山本の主治医・今井益男(古川雄大さん)が、自宅へ戻ったことが直接の死因ではなく、病院にいても容体が急変する可能性は十分あったと説明しました。謝罪するりんに、院長の多田重太郎(筒井道隆さん)は、病院側の落ち度を否定するため、謝るのはここまでとし、「大腸がん末期で、切除部再発と腹膜播種による死亡」という診断を病院の公式見解とし、勝手な行動を慎んで通常勤務に戻るよう命じました。
「命より重んじるものがあるという考えは否定しない」という今井
院長室を出た後、今井は「キミは医者の判断より患者の気持ちを優先した。医療者として失格だ」と厳しく言いました。その一方で、「もし私が患者なら、命より重んじるものがあるという考えは否定しない」と複雑な胸中ものぞかせ、最後に「だが、キミは看護婦だ」と言い残して立ち去りました。苦悩するりんは、その夜、布団に入っても眠ることができませんでした。
翌日、多田と副院長・渡辺行成(森田甘路さん)は、りんへの処分について協議。テイから病院への抗議はないものの、すぐ処分すれば病院側の責任を認めたように見えるため、時期を見て処分するか、自主退職へ追い込む方針を確認しました。
精神的ショックがりんの体に異変起こす
精神的ショックは、りんの体にも異変をもたらしていました。患者の脈を取ろうとした瞬間、手が激しく震えて止まりません。包帯を巻き直そうとしても患者の腕を握ることさえできず、看病婦・永田フユ(猫背椿さん)がとっさに交代。その様子を病室の入り口から直美が冷静に見つめていました。
中庭で、りんは直美に胸の内を明かしました。山本は手術したことをテイに後悔させたくない一心で、命懸けの最後の嘘をつくため自宅へ戻ったこと、そして病院へ戻った直後、最期に自分へ「助けて」と言い残したことを思い返し、「山本さんの顔…声…手が…。助けるって何?」と涙を流しました。
直美の問いかけに「大丈夫」と返すりん
患者の願いをかなえることと、命を少しでも延ばすことの間で苦しむりんに、直美は「少し休んだら?」と声をかけましたが、りんは「大丈夫」と首を振りました。
山本の死を目の当たりにした衝撃は、りんの身体症状として現れ始めました。患者に触れようとするだけで手が震え、看護婦として当たり前にできていたことができなくなっていました。
SNSではりんを心配する声多数
『風、薫る』第72話の放送に対し、SNSでも多くの反響が寄せられています。
優しさは罪か?主人公への共感と周囲の絆
医療の原則と患者の願いの狭間で葛藤するりんに対し、「その優しさは決して失格ではない」と寄り添う声が多数寄せられました。厳しく接しつつも理解を示す今井医師、通常勤務を命じた多田院長の懐の深さや、傷つく彼女をさりげなく支える同僚看護婦たちの姿にも感動が集まっています。その反面、不祥事を表沙汰にせず、地位や保身を優先して事態を収束させようとする病院の隠蔽体質には、「組織の嫌な部分を見た」「守られてもこれでいいのか」と厳しい指摘が相次ぎました。
■誰が判断すべきか?揺れる医療倫理
このほか、「今の時代なら終末期の帰宅は許されるのでは」「本来は看護婦ではなく医師が意向を汲むべき」など、命と患者の意思のどちらを優先すべきかという医療倫理の難しさを深く考察する声も見られました。
ライターコメント
患者の「最期の願い」を叶えたいという純粋な優しさが、結果として最悪のトラウマになってしまった今回の展開。りんの「助けるって何?」という涙ながらの問いかけは、医療の本質を突く重い言葉として胸に突き刺さりました。冷徹に見えた今井医師の「もし私が患者なら…」という本音や、職場でさりげなくフォローに回る先輩たちの姿に救われる一方、病院上層部のリアルな保身や政治的思惑も描かれ、一瞬も目が離せない15分間でした。手が震えてしまうりんは、この深い心の傷をどう乗り越えていくのか、直美との関係性も含めて今後の歩みを全力で応援したくなります。
『風、薫る』過去記事
NHK朝ドラ『風、薫る』(71)山本(本田大輔)最期の嘘とりん(見上愛)の痛切な慟哭、残された妻の涙
NHK朝ドラ『風、薫る』(70)死期を悟った山本(本田大輔)の妻への深すぎる愛と、りん(見上愛)の究極の選択に涙腺崩壊
NHK朝ドラ『風、薫る』(69)誰にも頼らなかった直美(上坂樹里)の心に、小川(甲斐翔真)の不器用な優しさが届いた日






