ロックバンド「サカナクション」のボーカル・山口一郎さん(45)がパーソナリティーを務める『サカナクション山口一郎のオールナイトニッポン』(ニッポン放送/毎週火曜深夜1時)。7月7日深夜に放送された第14回にて山口さんは、闘病中のうつ病のリアルな症状を告白。さらに、苦難を乗り越えて名曲を生み出した舞台裏を生々しく語る一幕もありました。
番組冒頭で激白「最近一番の失敗は、うつ病になったこと」
実は山口さん、ラジオ直前(7月7日)に自身のYouTubeチャンネル生配信『サカナクション山口一郎の今夜も雑談中。』でも、現在の症状のつらさを語っており、過酷な状況の中でこの日の放送に臨んでいました。
番組冒頭、「みんな人生で失敗したなって思うこと何回ぐらいある?」とリスナーに問いかけた山口さんは、「今振り返ると、あぁこれ失敗したな~とか、こうすればよかったかな~とか、むちゃくちゃ考えていくと…自分はミュージシャンになって19年なんですけど、たくさんあるんですよ」とした上で、「一番自分が最近失敗したなと思うことって、まぁうつ病になったことなんですよね」と切り出しました。
「数億円の損害」と「ドラゴンボールの重力マシーン」
2022年にうつ病を発症し、ツアーの中止を余儀なくされた山口さんは、のちにドキュメンタリー番組でツアーのキャンセル費用が数億円に上っていたことを知ったといい、「サラリーマンで言ったら、ビジネス的にも数億円の損害を出したわけですから、大失敗だなと思うんですよ」と当時の苦悩を振り返りました。
さらに、世間一般のイメージとは異なるうつ病の「身体的症状」の恐ろしさについて、「みんな『心が病んで塞ぎがちになる』みたいなイメージがあると思うけど、精神的症状と身体的症状の2つあるんですよ。(中略)身体的症状があると、本当に体が動かなくなるんだよ」と明かします。
その具体的な体感について、「『ドラゴンボール』で言うと、悟空がナメック星に行くときに宇宙船の重力マシーンみたいなのに乗っていくじゃん。(中略)本当にあの状態みたいに、体がもう、鉛のように重くなるんだよね。俺はなんか腕回り、肩回りとかがすっごい重くなって、その首と頭の後ろの奥の方がずーんとして、立ち上がれないみたいな」と、誰もが知る国民的アニメを引き合いに出して例えました。
玄関にウーバーが溜まっていく絶望と、今も続く「忘れられる恐怖」
「本当に酷かった時」の症状として、「ご飯食べないと死んじゃうじゃん。だからウーバー(Uber Eats)頼むわけよ。で、ウーバー届くじゃん。でも、取りに行けないのよ。それを繰り返して、玄関にどんどんウーバーが溜まっていちゃうっていうようなことになってしまうぐらい、体が動かなくなってしまう。それにまた自分が情けなくなって、メンタルも病んでいくし…」と当時の絶望的な状況を吐露。
また、ミュージシャンならではの葛藤について、「一番こたえるのは、やっぱ忘れられるっていう怖さをずっと抱えるんですよ。普段活動してればSNSで投稿したり公式が情報発信したり動きがあるじゃない。でも動きがなくなるから、何にも発信なくなるんですよ。だから、サカナクション以外の音楽聴き始めちゃったら、我々はもうどうにもならなくなっちゃうわけじゃない。それが本当に怖くなるのよ。何かしなきゃいけないけど、何もできないっていうことがどんどんどんどん追い詰められて、体の症状も激しくなるし、にっちもさっちもいかなくなる」と、恐怖に追い詰められていく様子を生々しく告白していました。
苦難の中で生まれた名曲『怪獣』
そんな暗闇の中から、のちにバンドの運命を大きく変える名曲が誕生します。
うつ病のど真ん中にいた当時、「S級」の大きなタイアップ(アニメ主題歌)の話が持ち込まれた際、山口さんは「引き受けた時点で(病気が)悪化すると思った」と強い危機感を抱きながらも、「これ引き受けないとサカナクション終わるって思った。人生かけてここまでやってきたチームのスタッフみんなを裏切ることになる」と、覚悟を決めてオファーを受けたと明かします。
そうして生まれた楽曲が大ヒットを記録。山口さんは「多分、俺うつ病になってなかったら『怪獣』って曲できなかったんだよね。病院の先生にも『いっくんがあの苦しい思いをしてないとたどり着けなかった歌詞だと思うよ』って言われた時に、俺失敗してよかったなって思ったのよ。で、その瞬間失敗だって思ったことも、後から考えると成功だったり、自分にとって大事なものだったりする」と語り、自身を苦しめる病を前向きに捉えようとする姿勢が滲みます。
『夜の踊り子』の〝失敗〟からの大逆転
ミーム動画をきっかけに、約14年の時を経て異例の再ブレイクを果たした『夜の踊り子』についても、サビが最後に来る構造ゆえに「ラジオでサビまでかからない」など、当時はヒットしなかったと振り返りつつ、「時代が変わって、SNSが出てきてさ、今また評価されたわけじゃん。サブスクでは最後まで聞くからさ、再生されたことになるじゃん。長く聴くから曲の良さが分かるっていう効果もあったと思うんだよね」と、時代の変化によって当時の〝失敗〟が最大の強みに反転したおもしろさを分析。
45歳で実感「今の失敗は、成功するために起きてる」
その上で、「今みんな苦しい人いると思うのよ。受験勉強うまくいかないとかさ、仕事がうまくいかないとか、それぞれいろんな不安や失敗があると思うんだけど、今の失敗って、実は成功するために起きてる失敗かもしれないのよ。今この瞬間を評価するっていうのって、これ本当難しいと思う。自分がうまくいった時に、この失敗があったからかって言えることって本当に幸せなことだと思う」と語り、
「今失敗や不幸がある人は、それは絶対いつかの成功につながるって信じてほしいと思うし、俺は今45ですけど、それを繰り返してここまでこれたかなと思ってます」と、自身の経験をもとに、今まさに苦境に立たされているリスナーに向けて力強いエールを送りました。
うつ病と前向きに闘い続けているからこそ発せられた言葉の数々は、同じように暗闇の中にいる多くのリスナーの心に温かく響いたに違いありません。
関連記事
山口一郎のラジオ生放送中に怪現象 謎の声に本人「たぶんそれは…」
「炎上ダメ」サカナクション山口一郎が中日ブラックドアラへの本音激白
サカナクション山口一郎、W杯敗戦を全国民に謝罪「俺が見たから負けた可能性がある」
「女子聞いて」山口一郎が警告、おしゃれ気取りの〝にわか間接照明ニキ〟に痛烈ダメ出し






