サル山の恋愛模様は、ときに人間以上にドロドロしていて、観察しているとなかなか面白いものです。東京都八王子市の高尾山にある「高尾山さる園・野草園」でも、秋の発情期を迎え、約90頭のニホンザルたちの間で恋のかけひきが繰り広げられているようです。今回は、昨年ボスの座についた「トロロ」くんと、その周辺のサルたちについて紹介します。
4日連続デートの相手は「ユウヒ」ちゃん
トロロくんのお気に入りのメスは、「ホッペ」ちゃんと「レタス」ちゃんという本妻候補の2頭のサル。しかし迎えた秋の恋の季節、トロロくんが夢中になっているメスはほかにいるようです。
同園の副園長・堅木さんによると、サル山のサルのうち、発情期に入っているのは10月中旬の時点でまだ5割ほどだといいます。それでもトロロくんには、早速たくさんの彼女ができているそうです。
「若い『ユウヒ』ちゃんとは、4日連続くらいでデートしていましたね。『ロケ』ちゃんや『カシワ』ちゃん、『ワラベ』ちゃんあたりの3頭は、1、2日デートすると、またユウヒちゃんに戻るという感じです。今、トロロくんの中でもユウヒちゃんが一番好きなのかなという印象があります」と、教えてくれました。

本妻候補とは「別枠」の彼女たち
気になるのは、本妻候補であるホッペちゃんやレタスちゃんとの関係です。発情期限定とはいえ、ボスがほかのメスと仲良くしているのを見て、2頭はなんとも思わないのでしょうか。
堅木さんによれば、ホッペちゃんもレタスちゃんも、トロロくんが順位の低いメスとデートしていてもまったく気にしないとのこと。「ボスの本妻であるナンバー2としてふさわしいのは、やっぱりそこそこ偉くて、はっきりした性格の子ですね。ほかの子とのデートなんてまったく気にしないようですよ」
また、トロロくんが発情期だけデートしているメスたちにも、ある特徴が。トロロくんは、発情期は順位の低いメスとデートをしていることが多いそうです。そして、トロロくんとデートしているメスたちは、控えめな性格の子が多いのだとか。
本妻候補の2頭は、性格もはっきりしていて序列も高い。一方で、季節限定の彼女たちは控えめな子が多いというのは、なんとも対照的ですね。

ちょっとだけ「オスが余ってしまう」現実
ここで疑問になるのは、トロロくんがたくさんのメスを彼女にして、オスが余らないのかという点です。それについては、こんな厳しい現実もあるようです。
「サル山では少しオスが余っているんです。なので、モテないオスは1人ぼっちでいるか、寂しい男の子同士でハグしたりして、温め合っていますね」(堅木さん)
トロロくんが圧倒的にモテている一方で、ほかのオスザルたちにはなかなかチャンスが巡ってこないようです。切ないような、微笑ましいような、サル山らしい恋愛模様でした。

■高尾山さる園・野草園:公式サイト
ライターコメント
本妻候補の2頭はどっしりと構え、季節限定の彼女たちとは颯爽と駆け引きを交わす。トロロくんのモテっぷりは相変わらずですが、その裏でモテないオスたちが男同士ハグをしているという話に、思わず笑ってしまいました。この秋、サル山の恋愛模様はどう動いていくのか、楽しみです。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。
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