最近、SNSなどで「多重知能診断」に注目が集まっています。
多重知能診断とは、正式名称を「Multiple Intelligences Theory」といい、アメリカの心理学者ハワード・ガードナーが提唱した「知能はIQだけでは測れない」という考え方にもとづく診断で、個人の得意な能力や才能を多角的に診断するテストのことを指します。
従来のIQ(知能)テストが、数学的な問題や、言語の理解、空間の認知、論理的思考、記憶力など、さまざまな認知的な能力を測定するために作成されたテストであるのに対し、多重知能理論では、人間の知能は一つではなく、複数の知能が組み合わさって構成されていると考えるのを特徴としています。
人の能力を8種類の知能タイプで診断
多重知能理論では、人の能力を8種類の知能タイプに分けて診断します。
具体的には「言語的」「空間的」「身体運動的」「音楽的」「対人的」「内省的」「博物的」の8つです。この複数の知能をバランスよく評価することで、学力的な能力だけでは見出しにくい、個性や強み、得意分野を明らかにする診断です。
多重知能理論の診断テスト結果をもとに、自分の強みのほか、得意分野の客観的な把握に加え、自分の知能タイプに合った職業や働き方を見つけるヒントとなって、学習方法の改善やキャリアの選択などに生かせる可能性があるとされています。
「MBTI」は16タイプで診断
同様の診断として、個人の性格を16タイプに分類する性格診断ツール「MBTI」があり、こちらもSNSで話題となっています。
MBTIの正式名称は「Myers–Briggs Type Indicator」で、MBTI診断自体は、アメリカの心理学者マイヤーズとブリッグスの親子がユング心理学をもとに作った性格タイプ診断です。最近は、オンラインなどで無料の診断サイトがありますが、MBTI診断の理論を参考に作られた性格診断であることが多く、心理統計学的な信頼性を疑問視する向きもあると言われています。
MBTIは、人の性格や行動傾向を4つの視点から2択で分け、その組み合わせで全16タイプに分類します。具体的には①「外向」と「内向」②「感覚」と「直感」③「思考」と「感情」④「判断」と「知覚」で、それぞれ選んだ選択肢により、「建築家」や「主人公」「幹部」などの16タイプに分類されます。
MBTIは、もともと、職場でキャリア開発やチーム作りのために使われていることも多かったようですが、オンラインなどの無料の診断サイトは、恋愛相性診断などライトにエンタメ感覚で使う人が多いようです。
多重知能診断とMBTI。どんなものか気になった方は、実際に試してみるのも面白いかもしれませんね。