石川県立図書館=金沢市

「子供の声は未来の声」――驚きの変貌遂げる公立図書館〝静寂の聖域〟から〝にぎわいの交流拠点〟へ

By - emogram編集部ゆんち
ライフ

「図書館って、静かじゃなきゃダメ?」

そんな常識が、今、各地の図書館で変わろうとしています。美術館のように洗練されたデザイン、飲食OKのスペース、そして子供の声が響く開放的な空間を設けたところも続々と登場しています。

「もはや児童館…😓」「飲食はダメでしょ」という声がある一方で、「素晴らしい」「居心地の良さを追求してるところに窮屈なコメント残していく人達…」という声も。

図書館は今、どこへ向かっているのでしょうか?

変わりゆく各地の図書館

まるでコロッセオ!石川県立図書館の圧巻空間

石川県立図書館(金沢市) ― 2022年、金沢大工学部の跡地に開館。

すりばち状に書架が並ぶ光景は、まるで古代ローマ時代の円形闘技場「コロッセオ」。最上部の4階には1周160メートルの回廊があり、「加賀五彩」(えんじ、藍、黄土、草、古代紫)を基調とした壁や床が重厚感を醸し出しています。

ここが画期的なのは:

書棚のそばに閲覧席がたくさん → 手に取った本をすぐ読める

ペア席で肩を寄せ合うカップル → 図書館がデートスポットに

飲食スペースでサンドイッチをほおばる中学生 → 勉強の合間にエネルギーチャージ

1階に約140人収容の広場 → 年間200件以上のイベント開催

案内役の県職員の話:

「交流の拠点になることが大事です。本や人との対話を通じて知を深めていただきたい」

波打つ天井が美しい、岐阜市立中央図書館

岐阜市立中央図書館 ― 複合文化施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の2階。

幅約90メートル、奥行き約80メートルの閲覧フロア。座席数は900超。緩やかに波打つ木製格子天井が特徴的で、SNSでは「デザインはいいね」「統合司令部みたい」と、そのビジュアルに好意的な反応が。

オープンから10年、2024年度は135万人が施設を訪問。

1階にはコンビニ、カフェ、ギャラリーも。図書館長の長尾勝広さんは「市民に寄り添う滞在型図書館を目指しています」。

そして、注目すべきは2階の幼児向け閲覧スペース。

壁がないため、子供の声が響きます。でも、ここで掲げられているのが素敵なフレーズ。

「子供の声は未来の声」

温かく見守る姿勢を貫いているんです。

大みそかも開館!さいたま市立大宮図書館

さいたま市立大宮図書館 ― 2019年開館。

なんと大みそかと正月三が日も開いているという、年中無休に近い図書館。大宮区役所と一体化した施設で:

1階のラウンジスペース → 高校生の姿が目立つ

2階の児童書コーナー → 毎週金曜に幼児を預かるサービス

3階の学習支援室(120席・全席指定) → 中高生でぎっしり

馬渕忠秀館長は語ります。「ここは普段同じ所にいない人が交わる場所。そういったにぎわいから何かが生まれたらと思います」

SNSの反応――「静寂派」VS「交流派」の対立?

こうしたニュータイプの図書館の出現に対し、SNS上では、賛否が真っ二つに分かれました。

否定的な声

「図書館は静粛な場所に決まってるでしょうに(・ω・`)」

「飲食は気をつけてよ。本に脂とかついた手で触る人絶対いる🥹」

「食い物と子供の声はだめだろ」

「もはや児童館・・😓」

「そういう憩いの場っぽいことは図書館じゃなくて公民館でやったらいいんじゃないか?」

確かに、図書館といえば「静寂」「集中」「本を大切に」というイメージ。飲食で本が汚れる懸念や、子供の声で集中できないという不安は、理解できます。

 

疑問・懐疑的な声

「どうなんだろう…🤔」

「子供の声が響くこと と居心地の良さは両立しないような」

「図書館が図書館としての本来の機能を維持した上でならいいが機能を欠損しているものは排除するべき」

戸惑っている人も多い印象です。

 

でも、こんな肯定的な声も

「素晴らしい」

「デザインはいいね」

「これだけ広いと音が気になりにくいのかも」

「居心地の良さを追求してるところに窮屈なコメント残していく人達、、」

 

「図書館の本来の姿」って、何だろう?

私たちが子供の頃に通った図書館は、静かで、飲食厳禁で、「シーッ!」って注意される場所でした。それが〝普通の図書館〟。

でも、時代は変わっています。

家で静かに勉強できない子もいる。 カフェでお金を払って勉強する大学生もいる。 子連れで気兼ねなく過ごせる場所が少ない親もいる。

そんな多様なニーズに応えようとしているのが、今の図書館なのではないでしょうか。

ライターコメント

最初は「飲食OKって大丈夫?」と思いましたが、従来の図書館は敷居が高かったのも事実ですよね。静かにしなきゃ、汚しちゃダメ、長居NG…そんな〝べからず集〟ばかり。子供が図書館を「楽しい場所」って思えたら最高ですよね。ほかの利用者に配慮することは大切だけど、「図書館は静寂の聖域」っていう固定観念を少し緩めてもいいんじゃないかなと思いました。

 

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