女優の見上愛さん(25)が一ノ瀬りん、上坂樹里さん(20)が大家直美というヒロインをそれぞれ演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土曜午前8時)の第71話が6日放送され、りんが末期がんで入院していた山本辰治(本田大輔さん)の願いを叶えるため、医師の許可なく一時帰宅させ、帰院途中に山本が亡くなるという衝撃的な展開が描かれたこの放送回に対し、視聴者の賛否が分かれました。
「牛鍋食いたくて、出てきた」と優しい嘘をつく山本
この日の放送で、りんは山本とともに私服へ着替えると、夜の病院を抜け出しました。人力車で山本の自宅へたどり着くと、妻のテイ(伊勢佳世さん)は熱を出して布団に伏せていました。崩れ落ちるように座り込んだ山本は、心配するテイに「牛鍋食いたくて、出てきた。手術…してよかった。お前のおかげだ。はあ~、うまかった」と優しい嘘をつきます。その思いを察したりんも「はい」と話を合わせました。
一方、病院では山本とりんが姿を消したことで騒ぎとなりますが、直美もりんの居場所を知りませんでした。
「またな」と妻にいう山本
テイはりんに感謝しながら、夫が1日でも長く生きられることを願っていました。翌朝、山本は大げさにせき込み、「風邪っぽい」と嘘をついて病院へ戻ることを決めました。
「またな」という山本の言葉にテイは笑い、夫をりんに託しますが、山本は家を出た途端、顔をゆがめながら、りんに「ありがとう」と感謝を伝えました。
廊下で突然崩れ落ちる山本
病院へ戻った山本は、りんに肩を借りながらふらつく足取りで歩いていましたが、廊下で突然崩れ落ちました。山本の脈は弱く、息も絶え絶えでした。りんが山本を横に寝かせたところへ直美が駆けつけ、医師を呼びに走りました。山本はりんの体をつかみながら、かすれた声で「助けて。助…け…」とつぶやき、そのまま静かに目を閉じました。
「もう嘘はやめてください。山本さん!」と慟哭するりん
直美が教授助手の黒川勝治(平埜生成さん)を連れて戻ってきた時には、すでに山本は息を引き取っていました。「山本さん、もう嘘はやめてください。山本さん!」。山本の体を揺さぶりながら必死に呼びかけるりんの痛切な慟哭が病院の廊下に響き渡りました。
病室で夫の遺体と対面したテイは、「なんで死んじゃったの? 」と問い詰めます。「申し訳ありません…」と謝罪するりん。テイは最愛の夫を失った悲しみをあらわにしました。
「あんた、大バカ者の大ボラ吹きだよ…」
その後、教授の今井益男(古川雄大さん)から、山本はこの1週間で急激に容体が悪化し、実際には食事もほとんど取れない状態だったことを知らされるテイ。夫が命を縮めてまで自分に会いに来てくれたこと、そして牛鍋を食べたという話も、自分を安心させるための優しい嘘だったことを悟ります。
テイは涙を流しながらも、どこか愛おしそうな表情で冷たくなった夫に「バカだよ。あんた、大バカ者の大ボラ吹きだよ…」と語りかけました。りんはうつむいたままで言葉を発することができませんでした。
りんの行動にSNS「あり得ない」「自分を責めないで」の声
『風、薫る』第71話の放送に対し、SNSでも多くの反響が寄せられています。
「医療からの逸脱はNG」厳しい批判の声
最も物議を醸したのは、りんの看護婦としての行動です。「たとえ患者の願いでも、医師の許可なく勝手に病院を抜け出させるのはあり得ない」「感情移入し過ぎて医療の枠を逸脱するのはNG」といった厳しい意見が相次ぎました。「ここまで感情移入してしまうと、看護婦には向いていないのでは」と、りんの適性を疑問視する声も多く見受けられます。
「優しくも残酷な最期の嘘」夫婦愛と葛藤への共感
倫理的な問題を指摘しつつも、りんの行動に理解を示す声も多数寄せられています。「少しでも長く生きてほしいと願う妻への、優しくも残酷な嘘に涙した」「最期に妻へ感謝を伝えられた山本さんは悔いが残らなかったはず」と、夫婦の深い愛情や、患者の願いに最後まで寄り添おうとしたりんの誠実さに胸を打たれたという視聴者も少なくありません。
「自分を責めないで…」りんを案じる同情と戸惑い
目の前で患者が亡くなるという悲劇に直面したりんに対し、「自分のせいだと責めないでほしい」「これからの道にヒビが入るのでは」と、りんが受けるショックを心配する声も殺到しています。また、残された妻・テイの悲痛な反応に「月曜の朝からモヤモヤする」といった困惑のコメントも上がっており、今後のドラマの行方に大きな注目が集まっています。
ライターコメント
患者の「最期の願い」と、医療従事者としての「ルール」。その狭間で揺れ動き、感情のままに動いてしまったりんの行動は、現代の医療現場の視点から見れば決して許されるものではありません。しかし、まだ「看護」という概念すら手探りだった明治という時代背景や、彼女の底抜けの優しさを思えば、一概に責めることができないのもまた事実です。「あんた、大バカ者の大ボラ吹きだよ」と冷たくなった夫に語りかける妻・テイの深い愛情と、廊下に響き渡ったりんの痛切な慟哭には、思わず目頭が熱くなりました。この悲しくも重い経験を経て、りんが「看護とは何か」をどう見つめ直していくのでしょうか。今後の成長から目が離せません。
『風、薫る』過去記事
NHK朝ドラ『風、薫る』(70)死期を悟った山本(本田大輔)の妻への深すぎる愛と、りん(見上愛)の究極の選択に涙腺崩壊
NHK朝ドラ『風、薫る』(69)誰にも頼らなかった直美(上坂樹里)の心に、小川(甲斐翔真)の不器用な優しさが届いた日
NHK朝ドラ『風、薫る』(68)寛太(藤原季節)が明かした直美(上坂樹里)のお守りの秘密と母の愛情






