第107回全国高校野球選手権大会第12日は17日、甲子園球場で3回戦が行われ、第1試合で沖縄尚学が仙台育英(宮城)に延長十一回タイブレークの末、5-3で勝利。第2試合では今春の選抜大会を制した横浜(神奈川)が津田学園(三重)に5―0で快勝し、それぞれ準々決勝に進みました。
仙台育英は惜敗
第一試合の沖縄尚学ー仙台育英では、沖縄尚学がタイブレークの延長十一回、宜野座恵夢捕手(3年)の左越え三塁打で2点を勝ち越して激戦を制しました。末吉良丞投手(2年)は六回以降は得点を許さず、169球、9安打3失点で完投しました。
仙台育英は失点に直結した二回と十一回の失策が響きました。吉川陽大投手(3年)は10安打されながら完投、川尻結大捕手(3年)は3安打3打点と活躍しました。
仙台育英は、一回に川尻の左前適時打で先制するも、その後は互いに点を取り合うシーソーゲームの展開に。タイブレークの延長十一回無死一、二塁、遊撃手・今野琉成選手(2年)の悪送球で勝ち越しを許すと、5番・宜野座捕手に左越え適時三塁打を許し、2点を奪われ、その裏には、エース吉川投手が涙ながらに打撃に立ち、最後二ゴロに倒れ、一塁ベースにヘッドスライディングしましたが、アウトに。その後、起き上がることができず、仲間に抱えられながら整列に向かう姿に、SNSでは多くの感動のコメントが寄せられました。
指揮を執った仙台育英の須江航監督は「甲子園でこういう試合をできたことがチームの財産になりました。あとは沖縄尚学の優勝を願うだけです」とすがすがしく振り返りました。
緊迫した場面で守備が乱れ「向こうが横綱だと思って挑んでいた。ちょっとのミスを許してくれないのが甲子園なんだなと思い出させてくれた」。その上で先発として1人で151球を投げ抜いた左腕、吉川投手を「100点、120点。150点。うん、点数では形容できないですね。ナイスピッチング」とたたえました。
横浜は織田投手が5安打完封
第二試合では、横浜の織田翔希投手(2年)が5安打完封し、津田学園(三重)に5―0と快勝しました。夏は17年ぶりの8強入りとなりました。

津田学園は横浜に完封負けし、初の準々決勝進出はなりませんでした。津田学園は三回に2点を失い、追いかける展開に。打線は相手先発・織田投手に対して四回まで安打が出ず、五回にようやく初安打が出ましたが、後続を断たれ、無得点に終わりました。反撃を目指した中で六回、八回にも失点してリードを広げられました。
2回戦の広陵(広島)戦が相手の出場辞退で不戦勝となり、津田学園の先発左腕・桑山晄太朗投手(3年)は「難しいところもあったが、言い訳はしてはいけない。今日の試合にベストで投げられた。そこに対しては後悔はない。自分の野球人生は終わったわけではない。力がまだ足りないことを今日の試合で痛感したので、次のステージで一からしっかり強化していってもっと成長したいと思います」と語りました。
SNS上の感情
第一試合で、仙台育英が沖縄尚学にタイブレークの末に敗れ、仙台育英の吉川投手が男泣きした姿を見せた熱戦に対し、SNSではコメントが相次ぎました。
emogram編集部では、この話題に対するSNS上の感情を独自に分析しました。
感情分析の結果は以下の通りです。
仙台育英の吉川投手に対する「感動・共感」の声(55%)
「じつはボクも高校野球最後のバッターだったのでこの気持ちめちゃくちゃわかります」
「朝からこっちも泣いたわ」
「思わずもらい泣きしてしまった」
仙台育英・吉川投手に対する「称賛・感謝」の声(30%)
「素晴らしい試合でした 吉川投手ナイスピッチングです」
「最後まで諦めずヘッドスライディングする吉川くん、カッコ良かったよ」
「最後、吉川くんに任せた所が須江監督だなあと更に感動しますね」
仙台育英と沖縄尚学の試合を「楽しむ」声(12%)
「高校野球のいい面を見ることができた」
「両チーム共に素晴らしかった。凄い試合でした」
「こんないい試合を見られて幸せでした」
主な「批判・皮肉」の声(3%)
「泣いてるようだと勝てない」
「負けたら試合終了、人生終了ってじっちゃんが言ってた」
まとめ
今回の分析では、仙台育英の吉川投手が最後のバッターボックスでと敗戦後に流した涙に対して、共感し、感動する投稿が相次ぎました。また、仙台育英と沖縄尚学の素晴らしい試合に対する称賛の声のほか、選手の努力を讃えるポジティブな反応が数多く見られました。
ライターコメント
仙台育英と沖縄尚学の対戦はどっちが勝ってもおかしくない素晴らしい試合でした。敗れた仙台育英の吉川投手が流した涙に対して、SNSも多くの人がもらい泣きしました。
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