ヴィレッジヴァンガードが、2026年の5月までに81もの店舗を大量閉店をすることがSNSなどで話題となっています。
ヴィレッジヴァンガードとは
ヴィレッジヴァンガードは、名古屋市に本社を置くヴィレッジヴァンガードコーポレーションが全国展開する複合型書店です。
「遊べる本屋」をコンセプトに、書籍だけでなく雑貨やCD、DVDなど趣味性やサブカルチャー色の濃い商品を融合的に陳列、販売しているのを特徴としています。
1986年の創業以来、独自のPOPやディスプレイで「発見」と「驚き」ある売場を演出し、若者やサブカル好きから「ヴィレヴァン」と呼ばれ、高い支持を得てきました。
店舗ごとに異なる個性が全国各地で話題となり、最盛期には400店以上を展開、2025年5月時点でも293店舗を運営しています。
ヴィレヴァンの大量閉店
近年は業績の低迷が続いており、2025年5月期の決算では2期連続の最終赤字を計上。これを受けて全店舗の約3割に当たる不採算な81店舗を閉店させる方針を発表しており、店舗数は最盛期の約400店舗から約200店舗ほどに半減する見通しです。
ECの普及などで消費者の購買行動に変化が生じる中、従来は店舗でしか体験できなかった価値提供という魅力が薄れ、顧客離れに伴う売上減少が加速。構造改革の一環として、同社は今後、オンライン販売の強化に舵を切る方針を打ち出しており、長年、独自色の強い本屋を展開して「遊べる本屋」の文化を築いてきたヴィレヴァンが大きな転換点を迎えています。
SNS上の反応
ヴィレッジヴァンガードの大量閉店という話題に対し、SNSではコメントの投稿が相次いでいます。
emogram編集部では、この話題に対するSNS上のコメントを独自に分析しました。
分析の結果、コメントは大きく以下のように分類されました。
主な「批判的」な声(45%)
「韓国雑貨に韓国食品ばかりでつまらなくなったから行ってないな」
「どの店もクレヨンしんちゃんと韓国の化粧品ばっかりでうんざりになった」
「店員の態度悪過ぎなんだよなー 別に客は神様だと思ってないけど、ヴィレヴァンでしか買えない物もあまりないし気持ちよく買い物できる所で買うわ」
「昔は『一般ではなかなか見られない尖った本や商品を売るサブカルな店』だったのに、10年ほど前から『ただのガラクタを売るつまらない店』になったからだと思うっす」
「価格は高いし店員は社会不適合みたいな人は多いし。あとレジでの愛想が悪い」
主な「回顧的」な声(30%)
「昔はヴィレヴァンの品ってここにしかないモノで誰かと被らないものが多かったんだよな」
「まだ路面店やパルコやマルイやヴィーナスフォートにあった頃はめっちゃ尖ったラインナップの圧縮陳列でまさに『魔窟書店』だった」
「こびとづかんの頃は何て言うか凄まじいなと思ったけど最近は何か普通」
「下北沢のヴィレヴァンでバイクの旧車の洋書とか探して買った数十年前が懐かしい」
「昔は面白かった見たことない輸入雑貨やお菓子ポスターや本などが置いてあり、海外のレトロおもちゃなんかも広がってて、サブカル店って感じだった」
主な「分析的」な声(15%)
「イオンに出店しだした時にちょっと店覗いたら廃れるなって予感はしてた」
「普通の雑貨屋になった」
「普通に…変わったもの買って寒いウケを狙う時代じゃない」
主な「共感的」な声(7%)
「見切り品100円で買えるから大好き」
「ポップいいよね」
「pop職人がいるから見てて楽しい」
主な「提案的」な声(3%)
「尖りに尖ってて誰が買うの?っていう狂気を感じるお店に戻って欲しい」
「雑貨+本の元々のスタイルにもどったら何か変わるかもね」
「個性って、”時代との対話”で磨かれていくものだと思う」
まとめ
今回の分析では、かつてのヴィレヴァンファン独自の分析力や批判力を感じさせるものが多く、ひとつひとつがヴィレヴァンのPOPのようで、それぞれの書き手の特徴が反映されたコメントが多く見られました。
コメントを集約すると、多くの人はヴィレッジヴァンガードの大量閉店について、店の個性や独自性の喪失を指摘しています。かつては「尖った」「マニアック」な品揃えやサブカル感が魅力だったが、全国展開に伴い「普通の雑貨店」になってしまったという意見が多数を占めました。一部のユーザーは昔のヴィレヴァンの魅力を懐かしみ、「もっと昔のような尖った品揃えに戻ってほしい」という希望も見られました。
ライターコメント
かつて、ヴィレヴァンのお店に行くと、独自POPに、匿名的だけど面白いおすすめが掲載されており、そのメッセージに共感や興味をくすぐられて楽しかったのを覚えています。ただ、「一億総発信時代」となった現在、XやインスタグラムなどのSNSに、その役割がとって代わられてしまったのかもしれませんね。
ちなみに、占い記事も担当させて頂いている筆者ですが、最近、占い師同士で話していたとき、「タロットと、カルチャーを掛け合わせるのって面白いよね。このカードはこの映画、この映画を表すカードはこれ」といったような話で盛り上がりました。
相手も優秀な占い師だから、こちらの内面を読まれて話を合わせてくれただけかもしれませんが、あまりにも話が通じるので、「わかるわかる!えっ なんでこんなに話合うんですかね」というと、40手前の占い師さんだったのですが、「そもそも、うちらヴィレヴァン世代やん。こういうの好きやん」といっており、「あー、そういうことね」と会話したことをふと思い出しました。
たしかに、かつて、ヴィレヴァンに通うもの同士なら通じる、みたいなのがありましたね。筆者の地元は、当時、高齢者が多く、近所には年齢層高めの品ぞろえのお店ばかりで、ティーンが自分のお小遣いで買いたくなるようなものがほとんど売っていませんでした。
十代の頃、ターミナル駅まで乗り継いで通った「遊べる本屋」ヴィレッジヴァンガードは、舞城王太郎さんの本と出合わせてくれたり、近所には絶対に売っていないような「ここではないどこか」を感じさせる、ディープで面白い商品に満ちていました。それでいて、今っぽさや、世の中の広がりを感じさせてくれて、「地元にもいいものは満ち溢れてるけど、まだまだ知らないことがたくさんある」と思い、なんだか東京に行きたくなってしまうようなお店づくりでした。
ヴィレヴァンの狙いどおり、知的好奇心を刺激され、寄り添ってもらっていたんですね。ティーン女子だった頃の自分はちょろすぎました(笑)。ちなみに、その思い出の店舗は、もう閉店してしまいました。