気象庁の海老田綾貴・地震津波監視課長は5日の記者会見で、同日朝に鹿児島県十島村の悪石島で観測した震度5強の地震と「7月に日本で大地震が起きる」とのうわさとの関連を否定しました。海老田氏は「地震予知は困難。日本ではいつでも地震が起きる。日頃から備えをお願いしたい」と呼びかけました。
7月5日はネットを騒がせている日
7月5日は、SNSなどで以前から「大災害が起こる」などとのうわさが流れていました。
その発端は、一冊の本です。東日本大震災を「予知夢」で見通していたとしてカルト的人気になった、漫画家のたつき諒さんが、4年前に「私が見た未来 完全版」(飛鳥新社)という本を出版。今年の7月5日に太平洋を震源とする大地震が襲い、日本を大津波が襲う「予知夢」を見たというものですが、当の本人は6月に出版した新刊で「夢を見た日=何かが起きる日というわけではないのです」と、日付の特定を否定しました。しかし、その後もSNSでは「7月5日に何かが起こるのでは」と疑心暗鬼がはびこっていました。
SNS上の感情
気象庁が5日の記者会見で、同日朝に鹿児島県十島村の悪石島で観測した震度5強の地震と「7月に日本で大地震が起きる」とのうわさとの関連を否定したことに対し、SNSでは多くの投稿が行われています。
emogram編集部では、この話題に対するSNS上の感情を独自に分析し、ポジティブとネガティブの感情の比率を割り出しました。
感情分析の結果は以下の通りです。
主な「ポジティブ」の声(65%)
「防災意識を高めることが大切」
「注意喚起という意味ではとても大きな意味があった」
「備えておきましょう」
「意識が高まりました」
「予言関係なしに事実に基づいて対応」
「偶然でよい」
「一番しっくりきました」
「備蓄品の見直し」
主な「ネガティブ」の声(35%)
「こんなのを信じるのは」
「売り上げだけを考えて出版したのが悪い」
「悪質なデマ」
「科学的根拠と言うのであれば震度1とかのレベルをデータとして使うな」
「科学が全てではない」
まとめ
今回の分析では、今回の予言について、多くは予言自体を信じていないものの、災害への備えを呼びかける効果があったと肯定的に捉える意見も多く見られました。一方で「悪質なデマ」「こんな予言を信じるとは」といった批判的な声も数多く寄せられていました。
ライターコメント
たつき諒さんが2021年に発売した著書「私が見た未来 完全版」は売れ続けており、飛鳥新社によると、電子版を含めて106万部以上になっているそうです。それだけ今回の予言に対する関心が高かったということのあらわれでもあり、SNSでは「予言関係なしに備えるのは大事」といった声も多く、今回の予言が防災意識の高まりに貢献することになったのは間違いなさそうです。